20世紀の末、ハッピーマンデーの導入により、成人の日が1月15日から1月の第2月曜に変わりました。
かつて祝日であった1月15日は「小正月」といい、日本全国でたくさんの行事が行われていた日です。
私たちの活動する三島町でも国の重要無形民俗文化財の指定を受けているサイノカミはじめ、初田植えや道具の年取りなどさまざまな行事(14日には鳥追いや団子さしなどもあります)が集中しています。
特にサイノカミは準備に労力と時間がかかり、大変な作業。さて、そうなると人手がたくさん必要になるわけですが、成人の日(祝日)が15日ではなくなったため、人集めも一苦労。三島のサイノカミも準備は成人の日に終わらせておき、15日は燃やすだけといった地区もあります。また、大切な行事なのでなんとか参加しようと会社を休む方も結構いらっしゃいました。
ハッピーマンデーという政策とこういった地域の実情とのギャップは考えさせられるものがあります。
さて、私たちは15日は活動をお休みし、いくつかの地区で小正月行事を拝見・お手伝いしました。
川井地区では15日早朝が初田植え。東北地方には雪中田植え、庭田植えなどといい、雪の上を田に見立て、藁や豆ガラなどを挿し、五穀豊穣を祈願する行事が各家でおこなわれていました。
川井地区で今回拝見した初田植えは、まず籾殻をまき、その後松葉・稲藁・豆ガラを一つの束にしたものを挿していきます(例年は12束、閏年は13束だそうです)。ここ数年おこなわなくなっていたそうですが、年中行事を絶やしたくないという想いから、復活したとのことでした。丁寧な所作で一束、一束祈りを込めて挿していく年若い戸主の姿が印象に残りました。
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