2010年6月21日月曜日

「宮下発電所建設秘話」開催しました!



 先週19日の土曜日、三島町・町民センターにて、講座「三島を学ぶ」第7回「宮下発電所建設秘話」を開催いたしました。講師には三島町文化財専門委員の小柴吉男さんをお招きしました。

 小柴さんは大正13年のお生まれですので、実際に宮下発電所建設の時代を生きています。そのため、公文書などの史料だけでなく、自らの経験もまじえた講演となり、また、今回は建設当時(戦時中)の貴重な写真(写真展「宮下ダムと建設と大火の記憶」より)も教育委員会からお借りしましたので、ビジュアル面も充実し、ひじょうに内容の濃いものになりました。

 講演は只見川電源開発事業につながる、阿賀野川水系のダム発電の歴史からはじまり(滝谷川沿いには大正の頃より発電所が、三島町でも桧原に変電所があったそうです)、宮下に発電所がつくられるまでを丁寧にお話いただきました。

 発電所建設に前後した、昭和16年の宮下までの鉄道が開通したお話、その翌年宮下で百何十軒もの家屋が失われた大火のお話をはじめ、ダム建設に際し日本人だけでなく朝鮮や中国の人びとが働かされ、何人もの犠牲者を出したお話など、あらためて戦争を、そして「戦中」という時代を考えさせる内容でした。

 とくに、小柴さんはダム建設に関連した中国人労働者の問題は詳細に調べられており、戦後の補償問題や後年、三島町を訪ねてこられた当時の中国人労働者との出会いについても触れられ、あらためて戦争の悲惨さを、真実を語り継いでいくことの責任を訴えられました。

 いつもあった参加者からの質問がなく、皆さんが真剣な面持ちで最後まで小柴先生のお話に聞きいっていたことが印象に残りました。今回の講座が、宮下発電所建設についてのさまざまな出来事を語り継いでいくことの一助になればスタッフとしても幸いです。
 

0 件のコメント:

コメントを投稿