2009年10月18日日曜日

「地域の調べ方」講座、2日目。


15日(木)19:00より、「地域の調べ方」講座の2日目が開催されました。今回の参加者は地元三島の方よりも、山形市や会津若松、山都町など町外から来られた方が多かったです。

菅家氏がお話されたのは、カヤ(場)に関しての聞き書きの報告と、会津を中心とした考古分野の現状。カヤ(場)での聞き書きはかゆいところに手が届くといいましょうか、大変に詳細なものです。関連して、参加者である山都町からいらっしゃったAさんの堰守のお話も興味深く聞かせていただきました。

民俗学はじめ学問というものはさまざまなテーマに沿って研究を進めていきます。今回はそれがカヤ(場)であったのですが、菅家氏のお話はそれだけにおさまらないんですね。カラムシや麻、水田、常畑、カノ(焼畑)、家の構造、入会の問題などなど・・・・・・たった一つのカヤ(場)というテーマから当時の生活が次々と明らかになっていく、私はこういうところにすごく感動しちゃいます。

ある一つのテーマを与えられた時、それだけで完結させちゃうのではなく、それを手がかりにどんどんと世界を広げていく。やるとなったら難しいし、いざまとめるとなったら散漫になっちゃうかもしれませんが、閉じず、開かれていること、次につながることって大事ではないでしょうか。前回の更新でも書いた「多様な視点」、「全体をみる」ということの実践、そのひとつの形なのだろうと思います。


もう一つ、今回新たに出た視点は「見直し」でしょうか。考古学の現状を事例に菅家氏は説明されていたのですが、例えば権威ある先生方が言ったこと、辞(事)典に書いてあること、すぐに信じちゃいそうですが、「本当にそう?」と思うことって大切だというお話だと感じました。

もう一度自分の眼でみて、話を聞いて、色々な本を読んで考えてみること。「もう答えは出ているから調べなくていい」、「答えに合わないからこれは例外だ」とか、そういう風に考えちゃうのって危険ではないでしょうか。先人たちが言ったこと、書かれたことに敬意を払いつつ、少し留保する。そういう姿勢で物事をみる。実際にそういう風に調べたりすると、時間はかかりますし、やっぱり言ってたこと(書いてたこと)は正しかったってオチがつくかもしれませんが、それでも「見直し」てみると新たな発見があるかと思います。

さて、明日19日(月)19:00より、菅家氏による3回目の講演があります。明日だけの参加も、もちろん可能ですので、興味のある方はぜひ「いまここカフェ」にお立ち寄りくださいね。

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